※こちらのインタビューは阪和住吉総合病院が新病院に集約移転する前のものになります。
現在は阪和記念病院にて勤務されています。
「錦秀会 = 療養型」というイメージでしたが、病院見学で、急性期や緩和ケアのあるケアミックス型など様々なタイプの病院があることを知りました。そして、阪和住吉総合病院を見学して患者様が自立していて周術期看護のできる総合病院に興味を持ち、元々関心のあった消化器外科看護を深めたいという思いから入職を決めました。
入職してからは、先ず先輩に付いて一日の流れ、手技や処置の見学を行います。その後は先輩と一緒に共同実施(見守りでの実施)、さらに一人で実施するというようなステップを踏んでいきます。また、患者様の受け持ちは、症状の安定した処置の少ない方から始め、徐々に処置や検査のある患者様を受け持っていきます。内視鏡などの検査や処置が必要な患者様を受け持つ時は受け持ち数を調整していただけるので、患者様にじっくりと向き合うことができます。
私の病棟では、3年目以上の先輩看護師が毎日ランダムに指導者として担当して下さいます。色々な考え方や看護感を教えていただけ、肌で感じることができるのでとても良い勉強になります。
実地指導者制度は先輩が複数いるので教え方が異なることがまれにありますが、ある先輩が「何かあったら私に言って。みんなで教え方を統一するように考えるから!」と言って、指導者間ですぐに話し合って解決してくださったことは、とても印象的で感謝しています。
入職して教えていただいたことをしっかりと覚えて一人で全て出来るようになったのは夏頃でした。吸引や処置など学校実習でやってきたことも、患者様に実際するのとでは全く違っていました。吸引でチューブを挿入する時には、患者様は一人ひとり状態も異なるため上手く出来る時と出来ない時がありました。技術もケアも未熟な私は戸惑うこともありましたが、その度に先輩がしっかりとサポートして下さいました。また、術後の患者様を初めて受け持った時は、観察することに必死で先輩の指示なく動けなくなってしまいましたが、業務後にその時の私の行動を一つ一つ一緒に振り返って、先ず出来ていた所を褒めて、出来ていなかったことや足りなかったところを丁寧に指導していただきました。
病棟の先輩方は、私たち以上に私たちのことを考え、一緒に悩み、アフターファイブもLINEをやり取りするなどの心配りをして下さいます。些細なことでも直ぐに話しかけやすく相談にのってもらえる温かい環境に、自分がどうすればよいのか悩んだ時には『絶対に助けてもらえる』という大きな安心と心強さを感じています。
さらに、月に1回病棟主催で、私たち新人の進捗に合わせた題材で勉強会を開催して下さいます。分かりやすい手作りの資料を用いた講義に加えて、勉強会前後で実際に患者様を受け持たせていただき、『見学 → 共同実施 → 一人で実施』と一連で経験させていただけるので、学んだことを直ぐ実践に活かすことができてとても役立っています。
先輩方からのご指導のお蔭で、8月には夜勤にも入るようになり、最近は患者様の状態だけでなく気持ちも考えて動けるようになってきたと感じています。
私の病棟は消化器外科病棟で癌の患者様が多いため、手術後や急変時は特に緊張感を持ってケアに当たります。以前、CPRの同意を取る場面に立ち会うことがあり、患者様は延命措置をしたくないということでご家族も納得されていました。しかし実際その場になった時、ご家族は長く生きていて欲しいとの思いを感じておられました。
この経験は私の中でとても大きな出来事となり、周術期看護について改めて考えさせられることとなりました。業務に追われる技術のみの看護にならず、コミュニケーションを大切に患者様やご家族様の気持ちを一番に考えられる看護ができるようになりたいです。そして多くのことを経験して自分自身の看護感を確立していけるよう、これからも頑張っていきたい思います。
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