大学では臨床心理士の勉強をしていました。その時に、心理学と言語・聴覚に関する領域が深く関わっていることを知り、言語聴覚士という仕事に興味を持ちました。さらに、ゼミの教授が心理判定員をされていて、認知症の方のデータをとって、医師やリハビリへ連携するということをしていたのですが、心理士としてできるのはここまでだけど言語聴覚士はその後実際に患者様をケアできる素敵な仕事だとよく言っていて、そこに携わりたいと強く思うようになりました。
しかし、理学療法士や作業療法士に比べると認知度が低いこともあり、両親は言語聴覚士になることに反対していました。そんな折、親が脳疾患を患ってしまって言語聴覚士のリハビリを受けることになり、次第に理解し応援してくれ、大学を卒業後、専門学校へ進学して言語聴覚士になることが出来ました。
阪和第一泉北病院は慢性期の病院なので、急性期に比べて目に見えて良くなる方というのは少なく、現状の機能維持も難しい方が多くいらっしゃいます。なので、私の受け持っているフロアにも寝たきりで食べる事が出来ない患者様がいらっしゃって、嚥下訓練をメインで行っています。患者様の食べたいという気持ちや家族様の食べさせてほしいという気持ちが強いので、一口のお茶だけでも飲めるようにリハビリしていきたいと思っています。
ですが、まだまだ経験不足で、患者様が出来ない事というのは見て分かりますが、予後予測するのが難しいときがあります。他の言語聴覚士が関わっていれば食べられるようになったのでは?と考えてしまうこともあって、そういった不安が患者様に伝わってしまうのか、うまく信頼関係が築けずに悩むこともあります。そんな時は先輩が気付いてフォローしてくれますし、訓練内容や患者様との関わり方まで相談に乗ってくれます。
言語聴覚士のリハビリを希望して当院に入院される患者様もいらっしゃるので、自分なりに試行錯誤しながらですが、一人の患者様と最後までとことん向き合ってケアしていきたいです。「Iさんに会ったら元気でるわ!」「待ってたのよー!」と言われるような存在になりたいと思います。
阪和第一泉北病院はチーム医療に力を入れていて、「ザ・チーム医療」という感じです。病棟から嚥下を見てほしいと要請されることも多く、頼られていると感じますし、私たちも病棟に頼ることもあるので、日ごろから患者様の少しの変化でも情報共有してチームでひとりひとりの患者様をケアしています。
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