コラム

看護師の資格の種類や働ける職場を紹介

看護師の資格の種類や働ける職場をご存じでしょうか。

看護師には4つの資格とキャリアアップを目指せる5種類の資格があります。看護師の資格は幅広いため、やりたい仕事や自身の関心から選ぶのが一般的です。

また、看護師が働ける職場は多くあるため、どんな職場で働きたいかをイメージしながら資格取得を目指すのもポイントです。

この記事では、看護師の資格や働ける職場を紹介しています。看護師の仕事に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

看護師には4つの資格がある

看護師には4つの資格があります。ここでは、それぞれの資格と仕事内容について詳しく紹介します。

正看護師の仕事

正看護師は、厚生労働省から国家資格を授与された看護の専門家です。医師の診察補助や患者さんの心身ケアを行うのが仕事で、医療チームにおいても重要な立場である場合が多くあります。

保健師助産師看護師法では、正看護師の資格を取得している者に対して、患者の療養上のお世話や診療の補助を行うことが定められています。例えば、血圧や体温、脈などの測定、注射や点滴などです。

正看護師になるためには、看護高等学校や看護師学校、看護大学などに通い、看護の知識と技術を習得して卒業した後、国家試験を受けて合格しなければなりません。

正看護師に年齢制限はないため、社会人になってから正看護師を目指すケースもあります。

准看護師の仕事

准看護師は、都道府県知事から資格を授与された看護の専門家です。病院やクリニックの医師や看護師から指示を受け、診察補助や患者さんの心身ケアを行います。

仕事内容については、正看護師とほとんど変わりません。手術の補助やカルテの入力、患者さんの入浴や食事補助などを行います。

准看護師になるためには、准看護師養成所や衛生看護科に通い、看護の知識と技術を習得して卒業した後、試験を受けて合格しなければなりません。

准看護師の資格を取得していると、実務経験を積んだあとに看護師養成所に通うことで正看護師にステップアップできます。

助産師

助産師は、助産行為をはじめ妊娠から育児まで母子の健康や保育指導を行います。

助産師の特徴は、看護師と違って助産院の開業権が認められていることです。そのため、病院に勤めながら助産院の開業を目指す人もいます。

助産師になるためには、看護師の資格を取得した後、助産師養成学校で助産師になるための知識や技術を学んで国家資格を取得しなければなりません。

また、4年制大学に通って看護師と助産師の資格を同時に受験するパターンもあります。

保健師

保健師は、保健指導の専門家です。健康診断を受けた後、「体の不安はないか」「毎日の生活に問題はないか」など、健康の相談やアドバイスを行っています。

保健師といっても、行政保健師、産業保健師、学校保健師、病院保健師など種類はさまざまです。

看護師が病気やケガの治療を目的としていることに対し、保健師の仕事は病気やケガを未然に防ぐ予防医療が中心となります。

保健師になるためには看護師の資格を取得していることが条件で、保健師養成学校や看護系大学保健師養成課程で必要な知識や技術を習得し、そのあとに試験を受けて合格しなければなりません。

また、4年制大学に通って保健師と看護師の資格を同時に取得するパターンもあります。

看護師の資格の種類

看護師にはキャリアアップを目指せる資格もあります。ここでは、看護師のキャリアアップ資格を5つ紹介します。

認定看護師

認定看護師とは、日本看護協会が主催している審査に合格した看護師で、特定の看護分野に長けた知識や技術を有していることが条件となります。

 

受験するには、看護師免許を取得してから5年以上の実務研修があり、認定看護師の教育機関でA課程かB課程の教育を受けているなどの要件を満たす必要です。

認定看護師には21の分野があり、認定を受ける場合はいずれかの分野を選択します。認定看護師には下記の3つの役割があります。

  • ●専門知識や技術を用いた治療の対象となる患者や家族に高い水準の看護を実践
  • ●他の看護師に専門的や知識や技術を指導
  • ●看護師や職員の疑問や不安の相談を受けてアドバイスを行う

認定看護師の資格を取得するメリットは、業務範囲が広がることや給料、キャリアアップにつながりやすいことです。

専門看護師

専門看護師とは、特定の分野の知識や技術を備えていると認められる看護師で、特定の分野において専門性の高い実践看護能力がある者として日本看護協会から認められることが条件となります。

専門看護師になるためには看護師免許を取得してから5年以上の実務研修があり、なおかつ看護系大学院修士課程修了者で、専門看護師教育課程基準の所定の単位を取得していることが条件です。

卓越した看護や看護者を含むケア提供者に対するコンサルテーション、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行い、看護者に対する教育や倫理的な問題の解決、研究なども業務です。

専門看護師になることで、特定分野のプロフェッショナルとして活躍できる場所が広がります。

認定看護管理者

認定看護管理者とは、管理者として優れた資質を持ち、想像的に組織を発展させることができる能力を有している看護師に付与される資格です。

認定看護師になるためには、看護師免許を取得してから実務経験が5年以上あることが条件となります。また、そのうち3年以上は看護師長相当以上の看護管理の経験が必要で、書類審査と筆記試験に合格すると資格が付与されます。

認定看護師管理者になるメリットは、スキルアップや管理職への昇進や昇給が期待できることです。

ケアマネージャー

ケアマネージャーとは、要介護や要支援認定を受けている要介護者のマネジメントを行う介護支援の専門家です。正式名称は「介護支援専門員実務研修受講試験」といいます。

ケアマネージャーになるためには看護師経験を5年以上、なおかつ900日以上積み、都道府県で行われる試験に申し込んで合格する必要があります。

ケアマネージャーになるメリットは、医療と看護の連携に看護師の経験を活かせることです。例えば、利用者のケアプランを作成する場合に看護師の経験が役立ちます。

呼吸療法認定士

呼吸療法認定士とは、呼吸の解剖や生理、呼吸器疾患など急性期から慢性期まで、呼吸器に関連する幅広い知識や視野を持ち合わせたスペシャリストです。

呼吸療法認定士になるためには、看護師としての実務経験が2年以上必要で、認定委員会が認める学会や講習会などに出席して12.5点以上を取得していることが条件です。

呼吸療法認定士の資格を取得することで、看護師としての技術力の向上や転職が有利になりやすいメリットがあります。

看護師が働ける職場

看護師が働ける職場は数多くあります。ここでは、看護師が働ける職場をそれぞれ解説します。

病院

病院は看護師が多く働いている職場で、医師のサポートをしながら患者さんの回復を助けるのが主な仕事です。病院といっても、勤務する病院や担当の診療科によって仕事内容は大きく変わります。

病院で働く看護師の仕事内容は下記の通りです。

  • ●診察補助
  • ●入院患者のお世話
  • ●手術の補助

病院によっては、スキルアップを目指せる研修やサポートを行っているところもあります。安定した仕事がしたい看護師、スキルアップを目指したい看護師におすすめの職場です。

日々患者さんと関わることができるため、患者さんが回復していく過程を見守れます。また、患者さんと直接コミュニケーションが取れるのも病院の魅力です。

クリニック

クリニックとは、医師や歯科医師が不特定多数のために医業や歯科医業を行う診療所のことで、院長の医師が1人で患者の診察や医療行為を行うケースが多くあります。

クリニックで働く看護師の仕事内容は下記の通りです。

  • 診察補助
  • 受付や電話対応
  • 備品の在庫管理

クリニックは休日が決まっていて夜勤がほとんどないため、プライベートと仕事を両立しやすいメリットがあります。

また、病院と比べて件数が多く、自宅の近くで求人を探しやすいのも大きな特徴です。

介護福祉施設

介護福祉施設は、利用者さんの生活を見守りながらサポートするのが仕事です。介護施設といっても、勤務経験や介護の知識など不要で働ける職場が多くあります。

介護福祉施設で働く看護師の仕事内容は下記の通りです。

  • ●利用者さんの健康管理業務
  • ●施設全体の安全な環境の確保
  • ●感染症の発生予防やまん延防止

介護福祉施設で働くメリットは、残業なしで定時で帰れる職場が多いことや、今後ニーズが高まる介護の現場で経験が積めることです。

また、介護福祉施設は医師が在駐してないことから、医師の指示を待たずに医療行為ができる特定看護師のニーズが高い特徴があります。

児童福祉施設

看護師が働ける職場として、乳児院や重症心身障害児施設などの児童福祉施設があります。児童福祉施設における看護師の役割は、子どもたちの生活や教育サポート、看護業務などです。

児童福祉施設で働く看護師の仕事内容は下記の通りです。

  • ●感染症の発生予防やまん延防止
  • ●病児の看護や予防
  • ●予防接種や健康診断の準備や介助

児童福祉施設で働くメリットは、地域の一員として子どもの人生に携われることです。また、国の長期政策では子育てにも力を入れているため、今後も仕事は増え続けると推測されます。

障害者支援施設

介護や援助が必要で、自宅で生活することが難しい障害者を対象とした障害者支援施設も看護師が働ける職場の1つです。

障害者支援施設内における看護師の役割や仕事内容は下記の通りです。

  • ●感染症の発生予防やまん延防止
  • ●通院の付き添い
  • ●利用者さんの健康管理業務

障害者支援施設で働く場合、看護師の資格を持っていれば十分に対応できる業務が多く、患者の急変や死亡などの緊迫感がある状況に立たされることが少ないため、精神面の負担は軽減されやすいです。

介護や福祉など、幅広い分野の知識やスキルを習得したい方に適した環境だといえます。

訪問サービス

訪問サービスは、自宅で治療を受けている患者への療養上のお世話や診療の補助を行うサービスで、看護師が働ける職場の1つです。

訪問サービスにおける看護師の役割や仕事内容は下記の通りです。

  • ●医師の指示による医療処置
  • ●医療機器の管理
  • ●生活介助や指導

訪問看護師として働く場合は、患者さんに寄り添った看護ができることや幅広い症例に携われるメリットがあります。

また、在宅ケアの認定看護師になって、管理者や独立するなどのキャリアアップも目指せます。

企業

医療機関ではなく、一般企業でも看護師の求人を行っている場合があります。医療機関で勤務する看護師に比べると数は少ないですが、カレンダーや時間通りに仕事ができる点がメリットです。

企業看護師における役割や仕事内容は下記の通りです。

  • ●企業で働く人の医療や看護サポート
  • ●製薬会社や保険会社などの健康相談サービス
  • ●医療品や医療機器の品質管理

企業看護師は病院やクリニックに比べると医療行為が少なく、従業員の看護師割合も少ない特徴があります。一方で、医療行為以外の仕事に従事することも多いため、新しい知識やスキルを習得しなければならないケースもあります。

まとめ

看護師にはさまざまな資格やステップアップに関する資格があり、働ける場所も数多くあります。

看護師としてスキルアップやキャリアアップを目指すなら、病院勤務がおすすめです。病院は看護師の知識やスキルをそのまま活かすことができ、実務経験を積むことでスキルアップも目指せます。

医療法人錦秀会では、看護部職員の各種講習会や研修会受講などの支援を行っており、受講料や交通費などを病院が負担しています。受講料は奨学金として貸与し、資格取得してから一定期間勤務することによって免除される仕組みです。

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