私は3年目で、今年初めて実地指導者を担当しています。
消化器外科病棟では3年目のスタッフが私しかいないため、スタッフみんなで新人教育をしています。新人指導を任された当初は「実地指導者は、実質私一人しかいない。私が技術面でもメンタル面でも新人さんのサポートをしなければ!」というプレッシャーを感じていました。そんな時、私が新人の時に指導をして下さった先輩が「加納さんは指導者1年目なんだから、一人で何でもしようとしなくても大丈夫。一緒に頑張ろう!」と励まして下さいました。その言葉がきっかけで「一人で抱え込まなくても良い。私にはたくさんの先輩がついている。」と肩の力が抜けました。私も病棟のみんなに見守られているのだと心強さを感じて、それからは指導方法に困った時や勉強会の資料を作る時など多くのシーンで、他のスタッフや先輩に相談して解決するようにしています。
実際に指導をしていると自分が1年目の時を振り返ることがよくあります。
「1年目は初めてのことだらけで環境に慣れるだけでも大変なのに、消化器外科病棟では処置や検査も多岐に渡るので覚えることだらけだったな。」「でも、実地指導の先輩はいつも私のことを気にかけていてくれて頼もしかったな。」と新人の頃を思い返した時、とにかく新人さんが毎日元気に出勤して、その日あったことをきちんと報告してくれれば良いと思いました。そして何より、新人さんも病棟の大切なメンバーなんだから、誰からも話しかけやすい雰囲気づくりしなければと思い「私が病棟みんなのパイプ役になろう!」と決めました。日々の業務の中で、新人さんからの質問や悩みを通して、他のスタッフと連携を取りながら指導方法を検討したり決める時は、私が中間的な役割で病棟みんなで新人さんを育てていると実感できます。
さらに、3年目の私には容易にできることでも1年目は難しいことが多いということも改めて感じさせられました。指導をしていく中で、私が最も気を付けていることは、自分自身の考え方・やり方を押し付けるのではなく、先ずは新人さんが何故その行動を取ったのか、そこに至った経緯をしっかりと聞いた上でアドバイスやフォローをすることです。私がアドバイスをした後に先輩達から手技や看護を褒められたりしているのを見ると自分自身のことのように嬉しくなり、みんなしっかり一人立ちしてきているんだと感じ取れます。
消化器外科の看護は勉強になることがとても多い分、様々なことを覚えて患者様にしっかりと寄り添った看護をしなければいけません。これぐらい省いても大丈夫だろうと気を抜いてしまうと、患者様の状態に影響が出てしまうかもしれないという緊張感を持って技術面だけでなく精神面でも強くなっていって欲しいと思います。新人さんがこれから先どんな風に成長していくのか楽しみです。
そして、私自身も指導者としてステップアップできるように、もっともっと看護感を磨いて頼りがいのある先輩になれるよう頑張ります。